ぱにーに通信

【一時加工】キャベツの乾燥(その2) 花見事業所

「いい色ですね」
あっ、パクリとそのまま食べちゃったよ。
依頼主への試作発表の日。味噌汁の具材のつもりで用意していたのですが
「へー、ウマイ」
直接たべちゃってももいいんじゃないの?と盛り上がる。
乾燥して味が凝縮されたので、より美味しく感じたのではないでしょうか。。

翌日、試作品はすべて渡してしまったので、近所のスーパーで買ってきて同じように乾燥してみました。
エ、エグい。。。
甘さも増えたが、キャベツ独特の渋さのような雑味が舌に残る。

実は、先日の依頼されていたキャベツは、山口県から送ってこられた有機野菜で、
オイシックス(現在大地と合併)で販売されているレベルで、モノが違ったようです。
乾燥にすると、凝縮されるので味の違いがハッキリしてしまうことがわかりました。
これで、とても良いモノであることが判明したのですが、商品化となると、話が別になります。

さて、問題です。
1.歩留まりはいくらでしょうか?
2.製造経費はいくらですか?
3.卸価格(スーパーなどの販売店が買い付ける価格)は?

いつものことながら試作までは、なんとかクリアしていくのですが、結局、販売となると原価や経費を積み上げていくので、高くなりすぎて断念することが多いのです。ちなみに歩留まり(ぶどまり)とは業界用語で、原料から実際に得られた生産量の比率のことです。
キャベツの場合は、芯や汚れた葉を切り落とし、乾燥させて水分を取り除きます。どこまで乾燥させるかにもよりますが、私たちの場合は、極力パリパリに乾燥させますので、歩留まりはなんと
6%(生100g→乾燥6g)
この数字は、だいたい生キャベツ1玉が、両手ですくい上げる程度の量(約100g)の乾燥キャベツができます。
1玉200円だとすると、ざっくり安く見積もっても500円以上になる計算です。
安いの?高いの?
便利な商品だと思いますが、例えば、夏場のキャベツが不足している時期だとしても、
あなたは、この値段で店頭にあったら買いますか?