ぱにーに通信

【原料】花見事業所のコンセプトをお話します

花見事業所です。

言い遅れましたが、当事業所のコンセプトは「未利用資源の有効活用」です。
つまり、規格外、利用されていない部分、遊休地を使った農産物、地元の余るほど存在する農産物を加工技術によって活かすことを目指しています。
ほうれん草だと大きく育ち過ぎたもの、梨なら皮、おからは廃棄されていたものを衛生的に管理することで活用しています。

例えば今回は、ほうれん草のケースを紹介します。
本業はスイカ農家さんの裏作として栽培されているものです。8月ごろにスイカの収穫が終わりますが、まだまだ日照時間が長く、堆肥の効き目が残っているのでもったいない。ほうれん草なら比較的成長が早く11月ごろから収穫できるようになりますので、多くの方が始められました。ところがその畑は栄養満点なので、グイグイと早く沢山できてしまいます。しかもスイカ畑は大きいので、栽培量が多すぎて収穫タイミングが追いつかない。収穫が遅れて大きくなりすぎると引き取ってもらえません。それは固くなり緑が濃すぎてしまうからです。

さて、立場を変えてみます。
私たちのようなお店や食品製造業が、野菜を使う場合を考えてみます。
最近の飲食店では、冷凍野菜などの一時加工したものを使うことが多くなりました。生野菜だと洗浄をしっかりしないと異物(虫など)が残ってしまいますし、衛生的に水道水の洗浄だけだと不安が残ります。また人材不足なので、下処理の時間は抑えたいところです。そんなときに活躍するのが冷凍ほうれん草です。サラダ類は無理だとしても、パスタなど熱を加える食材として利用するには問題ありません。
スーパーで売っている普通のほうれん草は柔らかいので、それを冷凍加工をしようとすると、殺菌処理や再加熱の際にバラバラに崩れてしまいます。加工用は大きい方が効率がよく、ゴワゴワするくらいの硬いほうれん草なら、再加熱にも耐えられます。

次に食品製造業の場合ですが、例えばクッキーやせんべいや麺などに野菜を使うとき、多くは粉末を選びます。焼いたときの小麦色にも映える濃い緑色が好まれます。

お分かりでしょうか。
農家さんの常識では大きすぎて使えないものが、立場を変えると、むしろ好ましくなるという典型的なケースです。

このようなことが、身近に沢山あると思っています。
だから、食品加工業は面白いのです。